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2014年9月

2014年9月27日 (土)

秋をはじめる

沈黙のあかるいカフェに誘われて今日が何曜日でもよかった

交わされる視線の数をかぞえたり、ブラウンシュガー溶かしあったり

おとといにもらったメール、きのう返して、きょう会いたかったねって笑って

後ろから抱きしめられて秋の日の金木犀は散るより落ちる

朝焼けの色に名前をつけたあと眠ってしまう人の腕まくら

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photo by sakurako



* * *


秋に花の咲くのがふしぎ。
冬はもっとふしぎ。

夜明けまえの星空が
うるさいくらいきれいなので
誰かに見せたい。

星を撮る人がそばにいればいいのに。


* * *

2014年9月24日 (水)

なごり熱

なぜ夏の終わりに雨は降りすぎる きみの不在に色を塗りたい

誰かのものだった記憶は遠すぎてときおり死んだように眠って

秋に咲く薔薇のように夢のようにあなたはわたしに声を降らせる

籾殻の焼ける匂いの夕ぐれを歩けばおなじ色になれるね

色のない花は愛されずに朽ちる それよりわたしは猫を抱きたい

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photo by sakurako



* * *


(たぶんこの夏に死んでしまった)ノラ猫が、
ちょくちょくいっしょに連れてきていた子猫、
どうやらうちを定食所と決めたらしく、
毎日来る。

もう子猫って大きさじゃないけど。

この子もいつか来なくなるから、
生きてるうちは、ここで食べたらいい。


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それはそうと、わたしは、
きっとここ一年くらいは
欠かさず投稿していたのに。

昨夜眠ってしまったんだ。

お酒ってほんとよくない。



* * *

2014年9月23日 (火)

春から夏のこと

母さんは「はあるよこい」と歌いながらブロッコリーに花を咲かせる

旅先できみの名前を書くけれどわたしの部屋にたまる絵はがき

会うたびにつないだままの手を入れた君のポケットから春になる

手のひらの小鳥を放つようにしてきみが歌ってくれたソプラノ

じゃがいもの葉をうきうきと繁らせてあるじ不在の畑の夏は

どしゃ降りの嵐のなかのずぶ濡れのトマトは青いまま齧らせて

スライサーに指を噛ませて極細のニンジンサラダの悲鳴、まぶしい


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photo by aihara 



* * *

手放したくないことや、
離れたくない人が増えて、
身動きが取れない。

どこにでも行ける体と、
どこにも行けない体は、
どちらがさみしいだろうか。


* * *




 

2014年9月17日 (水)

秋に生まれた

こんなふうに人が好きで雷が鳴るのが好きで秋に生まれた

綿菓子の国の子どもよ明日までに晴天の空に浮かぶ宿題

天高し 捨ててしまったサンダルのことを覚えていなくてもいい

日曜のひまわり公園産むことのなかった名前を呼んでみたくて

蝉がみんな死んだら冬が来る町であなたと暮らしていればよかった


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photo by さくらこ




* * *


キッチンで金木犀の花の匂いがすると思って、
裏庭の窓から確認したら、まだ咲いていなかった。
それは桃の匂いだった。

生きものを好きになるのをやめたい。
猫も、人も。
つらい。

わたしは春生まれ。



* * *

2014年9月 8日 (月)

平気なんて嘘だ

夏休みが終わってから咲くアサガオの観察日記はだれがつけるの

西向きのあかるい歩道で自意識は進行方向順に死すべき

誰も乗せてないって言うけど信じたけどナンバープレート黙っていない

約束がなくても平気だからいつも嫌がる猫を抱きしめるんだ人は


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photo by aihara




* * *

2014年9月 5日 (金)

読めない漢字をあなたにあてる

時計草の花は閉じないまま朽ちる わたしは何も育てていない

予定なき来客(家族・恋人)のためのジノリのカップが古い

雨の音がつぎつぎ届いてあたらしい楽譜はさっき印刷されたの

腕枕してもらうのは初めてで読めない漢字をあなたにあてる

バス停のくるった時刻表のこと夜が明けても覚えていてね

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photo by さくらこ

* * *

2014年9月 4日 (木)

あしたあなたがいなくなっても

うつくしい女をすべて抱けばいい雨がひかって降る町だから

八月の洗い晒しの髪のままゆるくて長い坂道にいる

誰からも鑑賞されない歌があるそういうふうにここにいなさい

夕されば湖水は青を重ねゆき ありがとうありがとうさよなら

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photo by aihara



* * *


ほぼ一年間、ずっと、
うちの裏玄関にごはんを食べにきていた猫が
来なくなってもうすぐひと月だ。

死んでしまったのかな。

あきらめきれなくて待ってたけど。


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あと30センチの、縮まらない距離。

生きてるみたいにいなくならないで。



* * *



2014年9月 2日 (火)

夜がもっと長ければいいのに

だれの家か知らないイルミネーションのはなし環状線の内回り

一度だけしたよね古いアパートの壁の大きなシミが怖くて

風立ちぬ たしかにあの日わたしたち桃の匂いのシャンプーだった

出身地も好きな映画も知らなくて虹彩の色だけ思い出す

今すぐに会ってくださいさもなくば言葉のような声をください

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2014年9月 1日 (月)

近道はおしえない (ぺんぎんぱんつの紙12 十二支より)

夕焼けの匂いはるかにキッチンのねずみはチーズが好きじゃなかった

すこしだけ悪口言って泣いてから眠るまえには牛乳を飲む

そんな夜にあなたといればあかねさすタイガー炊飯ジャーのまぼろし

卯の花をほろほろ摘んで抱きしめていちばん嫌いなひとを忘れて

また今日も初めて出会う生きもののようにわたしを見るね、龍っちゃん

せんせいに怒られちゃったし泣いちゃったし蛇の抜けがらひろって帰ろ

海の石をくださいこんな草原で馬頭琴さえ弾けない娘に

羊毛とおはな あなたがやわらかな花嫁になるまでのまどろみ

久しぶりだねって言えば許される夏をいくたび越えてサルスベリ

もう空を飛ばなくていい文鳥がわたしの肩で鳴けないでいる

呼べば来る子犬のように健やかな生命体として暮らしたい

この里のよそより白い山桜 お猪口はひとつだけくださいな

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photo by aihara



* * *


しんくわさんと田丸まひるさんの短歌ユニット「ぺんぎんぱんつ」
の12枚目に参加させてもらった。
十二支の動物を順番に詠み込んで十二首の連作にするという企画。
たのしかった。
ないしょでいろんな人に宛てて詠んだ。
(オープンな人もいる)


十二支に猫はいない。
いちばん近道を知ってそうだけど。


* * *

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