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2015年3月

2015年3月29日 (日)

「びょうき」

夢の中ではいつものようにほのぼのと並んでたい焼き買ったりしてる

マンションの屋上へ出る鍵がないないものがほしい返信がほしい

熱があるよってあなたはよく冷えたシュークリームをわたしに乗せる

うす闇に瞼を上げるトローチのとける間ぎわに聞こえる、きみのうた、が

重い毛布をなん枚も苺なら潰れる角度だったでしょうか

帰ってくる人を待ってる待ってるきっと梅干し買ってくれてる

おやすみなさい望みの叶わない世界。沈丁花に触れてはいけません

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「春雷」

聡明でうつくしい人ばかりいてわたしは早く沼に棲みたい

うすく血をにじませている指さきに聴かせてとおい国の春雷

おかえりと言わないかわりに抱きしめる背中は街のほこりの匂い

白粥の煮えて輪郭やわらかくあなたと過ごす夕ぐれがある


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photo by aihara




* * *


軒先の古巣につばめが帰ってきた。
うちを覚えてくれていて、うれしい。

今年は何羽生れるんだろう。
わたしは何羽、見送るんだろう。


* * *

2015年3月28日 (土)

「あのころ 2」(2011年春)

すえながくいっしょにいよう 夢の中くらいはべつべつでもいいけれど

わたしより賢いあなた あなたより柔らかいだけが取り柄のわたし

体温も言葉も欲しい不器用にフライパン返すあなたが欲しい

抱きしめてくれたら腕の隙間から花散るような恋をしてます

月に棲む人になりたいこんな夜はきっとあなたに愛されている

この空は繋がっている君のいる街まで遥かだったとしても

わかってる君が選んだその人はあたしが願う前から素敵だ

幸せのハードルは低い方がいい たくさん跳べた方がうれしい

あなたにもわたしにも咲くこの花の名前はいつも新しくなる

毒りんご食べたい衝動眠っても眠っても来ない王子が好きで

もうすこし一緒にいたい終電のベルがならない駅で降りたい

雨の日はたんぽぽだって閉じながら明るい夢をみているきっと

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phpto by aihara

「あのころ 1」(2010年冬)  

もう少し君と話がしたいのにオリオンのいる夜は短い

できるだけあなたの朝に降る雨がかわいい音で鳴りますように

とうめいでいたいとうめいにんげんのこころはとうめいだからあんしん

寒々と桜の枝は空を抱く 血汐は樹皮の奥に隠して

君だけにわかって欲しい本心を蜜柑の房の中に隠した

愛なんて要らないはずの二人にも砂漠は少し寒すぎました

オヤスミと打ったメールの返信は夢の中まで届けてください

逢いたくて逢えないひとが世の中にいるってことも勉強だから

隠しても隠しきれない愛しさを時候の挨拶などでくるんで

今日は午後各地で雪が降るでしょう わたしたちには予報などない

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photo by aihara




* * *


作歌をはじめて10か月ほどたったころの作品から。
それ以前のものは残っていないし、
どれも、びっくりするほど覚えていない。

辻聡之さんのいう、詠むことへの「放埓な幸福」を
味わうばかりの日々だった。

あらためて思うのは、
短歌では、拙さは武器にならないということ。


* * *





2015年3月26日 (木)

「湖水」

みずうみの遠くうみのもっと遠く山に流れる水はつめたい

虹を産むように泳いで淡水の魚がわたしに還る早春

湖をうみと読ませてやわらかな波が岸辺に来るまでのこと

明滅の街を映して夜のなか同じ匂いの水を含んで

ふれながら壊す花型うつくしくあるものすべて君に差し出す

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photo by aihara






* * *


あなたが今のあなたじゃなくなって
わたしのすべてを忘れてしまったら
その時は
この地球上のどこにいても
もう一度
会いにゆきたい


* * *

2015年3月23日 (月)

「日曜日のベッド」

三人掛けソファに三人座る日がこない二人と一匹の部屋

風邪ひきのわたしを抱いて眠ってるネルのパジャマの胸に咳きこむ

一日を怠惰に過ごすことだけが自慢の猫がわたしを舐める

本、ポテトチップス、紅茶、日曜の午後のベッドに作る天国

トローチの色の毛布よ守ってはくれない人を待つ病気でしょうか

こくこくと春になるもの受けいれて三人称であなたを綴る

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photo by aihara



* * *



完全に風邪をこじらせて、
咳が止まらない。

気管支炎になってなきゃいいけど。

日曜日はずっと眠ってた。



* * *



2015年3月19日 (木)

「アンバランス」

靴下をひっくり返して脱ぐ人と暮らして春を数え忘れる

分けあった鍵を返して今からは一つ空の下の他人です

丁寧におじぎをすればシーソーの戻る速度で夢から覚める

家族割の店にまみれるこの国で息をひそめてわたしと猫は

友だちと友だちの恋びとといて慎重に切り分けられるピザ

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photo by sakurako





「ノスタルジー・ブルー」

おそろいをダッシュボードに光らせて別々の雲を追いかけている

砂浜であなたが何か話すたび愛してるレイバンの斜体を

コカ・コーラ飲み干すまでの沈黙を水平線に放り投げたい

泳げない二人で海に来たことがこの夏いちばん楽しかったね

いつかまた来ようと言って今度こそわたしは爪を青く塗りましょう

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photo (c) toyabun













2015年3月17日 (火)

「世界一やさしい説明書」

蛇行するあなたの春を追いかける海の遠さよはかりしれない

こどもたち光を吸ってこどもたち見えないものは見えなくていい

早春の長い手紙を書き終えて今夜あなたの眼鏡を洗う

眠るときだけそばにいる神さまの頸動脈にひたいを寄せて

世界一やさしい説明書がほしい 壊す、壊れてしまう、わたしの

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photo by aihara





* * *



言葉なんて。
言葉なんて、信じない。


愛の言葉も、呪いの言葉も。


ただ、目の前にいる人が
わたしにそそいでくれる眼差しだけが
真実である。



* * *




2015年3月13日 (金)

「星の名を呼ぶ」

居酒屋で教えてもらう外国は水のにおいの花が咲く町

うれしくてばかになりそう注がれたグラスの星の名前を呼んで

春の雨みたいなあなたを探すからわたしを傘に入れてください


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photo by sakurako




* * *


もう会えないかもしれないと思った人と、
おいしいビールを3杯も飲んで、
酔ってなければ言わないことまで言ってしまった。

そんな夜もたまにはあるし、
もしもう最後なんだとしたら、
こんな気持ちを薄めるための日常を、
どれくらい過ごせばいいんだろう。



* * *


2015年3月 6日 (金)

「月の朝」

しろたえのフリル波打つワンピース選んできれいに生きる練習

月の朝レモンケーキを切り分けてわたしのなかのしずかなナイフ

あなたの声がわたしの名前になるときの心を誰にも見られたくない

放したくない手があって三月の雪に桜は凍えてしまう

くり返しみる夢のなか抱きしめる背中はとおいとおい海のつめたさ


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phpto by sakurako 



* * * 



わるい夢ばかりみるので、よく目が覚める。
そのせいなのか、体重が少し落ちてしまった。


見えなければ、見ないようにすれば、
悲しいことが減ると思っていたけど、
さみしいだけだった。




* * *


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