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2015年9月

2015年9月29日 (火)

「ブルー・イン・ブルー」

青い傘さしてる人の群れにいて湖生まれのあなたを探す

手をつながないで渡った信号の青の青さが信じられない

光源としてのみず、うみ、さかなたち、千年眠るわたしのための

過去は海 わたしは遠くさらわれてあなたの語る波のいくつか

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photo by aihara





* * *



青い色は元々好きな色だけど、
最近は特に、とても好きで。

来年の誕生日になったら、
青い石のピアスを買おう。



* * *


2015年9月28日 (月)

「秋の休日」

好きなもの嫌いなものの五年分知らない人をぼんやりと見る

コスモスに埋もれて過ごす午後のこと 光のあわくなるその先の

休日のあなたの左腕のなかちゃんと納まるわたしでしたか

明日とか未来とか無理 一日を閉じる強さの抱擁だった

秋の日に熱を分け合う蔦の葉のようにおんなじ色になりたい

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photo by sakurako




2015年9月26日 (土)

「幻燈迷夜」

石畳つづいて前をゆく人のゆれる右手が案外とおい

旅してるみたいだねって店先の知らない偉人の歌碑読みあげて

言葉尻とって話が変わるいつ二人の癖になったんだろう

迷信の数だけ信じたい嘘があって冬にはいなくなる猫

指先をつないで歩く幻燈路 いつか地球が滅びる夜も


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photo by sakurako




* * *



遠くないのに、初めて来た場所は
特別なことのように思える。

きっとこんなことがなければ来なかったんだろう、と
あとで思いだすから。

その場所も、そこにいた人も。



* * *

2015年9月25日 (金)

「雨の日に」 (ルプレザンタシオン9月号掲載)


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わたしの恋人は変な人だ。
デートだと言うのにいつも行き先をちっとも教えてくれない。
雨の日に傘もささない。
かばんは持ってない。
穴のあきそうなジーンズの右のお尻のポケットに二つ折れの財布を入れている。

雨の日に傘をささない恋人のお尻のポケットからビスケット


付き合ってから一度もプレゼントをもらったことがない。
もう3年経つけれど。
そう言えば先週のデートは朝から気持ちよく晴れていて、
わたしは迎えに来てくれた車に乗る時、
お気に入りの9センチの高さのあるヒールのサンダルを履いていた。
その日は鍾乳洞に連れて行かれた。
案の定、わたしは鍾乳洞の下りの階段ですべって転んだ。
彼は、すりむいて血が出たわたしの向う脛を、
痛そうな顔をして眺めてはごめん、って言う。

雨の日に傘をささない恋人がわたしに買ってくれた長靴


雨の日に傘をささないなんて、
デートの行き先がわからないなんて、
3年も付き合っていてプレゼントが長靴だけなんて、
あんまりだ。もう別れよう。
わたしだって人並みの幸せがほしかったんだ。
普通の人と恋をしたかったんだ。
変な人はこりごりだ。
次は雨の日にちゃんと傘をさす人を好きになろう。

雨の日に傘をささない恋人がわたしの腕まくらで眠るの


雨の日の夜だった。
やっぱり彼は傘をささないでわたしの部屋に来た。
玄関で服と靴下を脱ぐように教えたのは、絨毯がぼとぼとになるから。
この人のいいところは、教えたことはちゃんと守ってくれる。
そういう聞き分けのいい大型犬みたいなとこ、好きだったけど。
愛してたんだと思うと泣けてくる。
そういえば、って、彼はいつものように脱衣所からパンツ一丁になって、
わたしの前にやってきて、小さくて四角い箱を見せる。
ん、と渡してくれる。
リボンがかかっている。
もちろん包装紙は濡れている。
信じられない。
信じられない。
中には、
青い、
青い、
青い、
小さな石のついた指輪。

雨の日に傘をささない恋人がわたしに買ってくれたサファイア



2015年9月13日 (日)

「オリオンの夜」

正式なお菓子の名前知らなくてスポンジケーキみたいなカステラ

お母さんになってしまった友だちをお母さんって呼んでしまうね


わたしのいない世界はきれいで柔らかな手のひらがあるあなたのための

オリオンの見えないとこに引っ越せばあなたを思い出さない夜だ

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photo by sakurako






* * *



わたしが消えてしまっても
美しいでしょう、あなたの世界は。

そう思うと何もかもどうでもよくなって、
それはとても自由だし、
すごくさみしい。



* * *

 







2015年9月 7日 (月)

「月の匂いの」

ここにいない夢のあなたに話したい夏の終わりに咲く花のこと

草原の陽にあたたまり吹く風のように届いてあなたの声は

知らないことがぜんぶ眩しい世の中に月の匂いの飲み物がある

うれしくて泣きたくなるし触れるならわたしの名前を呼ばないように

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リモンチェッロを飲んだ。

飲んだのは初めてで、
世の中には
こんなにいいものがまだまだあるって
うれしくて、長生きしたくなった。

おいしいって、すごい。




* * *

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