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2016年2月

2016年2月28日 (日)

「冬の長い町」

会う場所はだいたい決まってるんだけど駅の名前は覚えていない

都会の人は薄着だねって言ったあと都会の人は笑ってくれる

春みたいなカフェは逃げ出したくなってアイスクリームに雪を降らせる

いつもしてくれるみたいにずっとして よそより冬の長い町に来て

海に行く約束だった昨日みた夢だったそれは幸せだった

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photo by sakurako





* * *



春はまだなんだって。

さむいね。



* * *

2016年2月22日 (月)

「夜明けのココア」

帰るべき家がなくてもノラ猫だってたまには誰かと仲良くしたい

二人でいれば春にならなくてもいいね フロントガラスに凍る星空

あなたから風邪をもらって自販機の薄いココアに温められる

死が分かつまでとは限らない愛は白い椿の冷たい匂い

宇宙のことよく知らないけど星に名をつけてくれた人ありがとう

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photo by sakurako








* * *



今朝はもう
窓も凍ってなくて、
夜の終わりが早くなってきた。
早く春になってほしい。


いつの間にか、
冬がきらいになってしまって
わたし変わったんだなぁと思う。

雪が好きで、霜柱を踏んで喜んだ、
小さいわたしが確かにいたのに。



* * *



2016年2月19日 (金)

「恋人がいない」

妊娠の有無を「無」にして記入する問診票の明るい白さ

恋人がいないことなど伝えあう春に出会った人やわらかい

眼鏡のない顔が見たくて春の夜の雨にあなたを連れ出している

触れてから考えているこの人が猫より必要だったかどうか

ふるさとに吹く風の色雨の音あなたの匂いのもうしない髪

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photo by sakurako





* * *




会いたい人がいるので、
明日も生きたい。




* * *









2016年2月14日 (日)

「最後の雪」

ヒヤシンス咲かせる窓辺 猫の気がすむまで頬をなめさせている

雪どけの水ひからせて夢の中の犬はわたしを迎えてくれる

疲れたなぁ、そうやなぁってくり返すだけでよかった月の夜には

好きな人が好きじゃなくなるまでどんな楽しいことがあったらいいの

フレンチのディナーも人気のスイーツも要らないんだけどさみしいんだけど

雪の日に咲く花あってさよならの日には笑ってきみに手をふる

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photo by 月下  桜





* * *




バレンタインは成功したことがなくて、
超絶にまずい手作りチョコを渡したり、
好きな人に振られたり、嫌われたり。

去年は一つも買わなかったので、
今年は勇気を出して4つ、
大切な人たちに渡した。

嫌われてないといいな...




* * *

2016年2月12日 (金)

「さよなら、東京。」

かっこいい形のビルがぐんぐんと伸びてスズメのいない赤坂

まだ飲んでないのにあこがれの人に酔ってるのって聞かれるメイク

ハイボール飲ませてくださいもうすこし 氷雨降らない市ヶ谷の空

もっともっといっしょにいたいと思わないくらい酔うから送ってほしい

終電で今日来なかった人のことぽつぽつ話す横顔がいいね

さよなら、東京。わたしの好きな人ばかり集めて都会なんてきらいだ

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photo by sakurako





* * *



2年ぶりの東京で、
懐かしい人や、会いたかった人に
たくさん会えて、たくさん飲んで、
あっという間に帰ってきた。


受賞式で彩乃ちゃんは
わたしの記憶よりずっと美しく聡明で
こんな人ほんとにわたしの友達なのかなって
だいぶ不思議だったし、
その夜の楽しかったこともぜんぶ
夢なんじゃないかって思う。
わたしの幸せって、いつも短い。



* * *

2016年2月 8日 (月)

「春を待つ」

熊笹の枯れて乾いた音のするわたしの冬にあなたがいない

めぐるたび懐かしくなる春のこと昨日ひろった猫にも話す

これからのわたしたちにも雪は降る かなしい思いはもうしたくない

風のことはすべてわかるというふうに冬の桜は枝しならせて

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photo by sakurako





* * *




あたたかい冬だと思っていたのに。
今朝も水道が凍ってしまった。

話す人のいない思い出を
たびたび夢で再生していて怖い。



* * *

「冬をはじめる」

きみの待つワンルームまでが夕闇で いま焼きたてのバゲット抱いて

主よ人の望みよ喜びよ愛はスープを温めることでしょう

星の名で呼んでください朝が来れば忘れるようにいのちを燃やす

融点を合わせて眠る夜ごとに二人が少しずつ似てゆくね

雨上がりの月にやさしく照らされて咲くんでしょうさざんかさざんか

あたたかな手のひらをした人といて手ぶくろのない冬をはじめる

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photo by sakurako

 

* * *




千原こはぎさんの『ぬくたん』掲載の連作です。
ほかの皆さんの作品はこちらで読めます。

「温」がテーマのぬくもり短歌集『ぬくたん』
http://kohagi-orz.jugem.jp/?eid=2227




* * *

「冬鳥」

パンを焼いてスープを少し温めて誰かを守りたい朝がある

伝えたいこともないのに着信を期待していて夜が長いね

働いて食べて眠って雪の日のあなたに出会いたい夢の中

会いたいとか会いたくないとか冷蔵庫に林檎をひとつ眠らせている

髪を切る 湖にまた冬鳥が帰ってくれば遠い未来だ

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photo by sakurako






10月末でお休みしていたブログを
またぼちぼち始めたいと思います。

冬に作った歌を、まだ寒いうちに。 





* * *

 

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